2018年にAmazonが買収した企業をまとめる
Ring
- 事業内容:屋外用ホームセキュリティ
- 設立:2012
- 出資者:Kleiner Perkins, First Round Capital, CRV, True Ventures, Felicis Ventures
- 総調達額:$209.2M
- 最終ラウンド:シリーズD
- 買収額:$1B以上(推定)
概要
- モーションセンサと動画ストリーミング機能を備えたスマートドアベルシステムVideo Doorbellを提供
- スマートフォンやタブレットと接続しておくと、玄関のドアの外に誰かが来ると通知が届き、ユーザーはアプリを通じて訪問者と直接対面せずに話ができる
- 外出先でも、モーションセンサの通知とライブストリーミング機能により、いつでも訪問者を確認できる
- AmazonはAmazon Echoを始めIoTに進出している
- すでにAmazon Keyがあるが、不在中に人を家に入れるというコンセプトのハードルは高い
- しかし玄関前に配達された荷物が盗まれる数は増えてきている
- そこでRingがあれば外出中でも監視ができ、撃退できる
アマゾンのRing買収、スマートホームよりも荷物の置き引き防止が目的? - CNET Japan
PillPack
- 事業内容:オンライン薬局
- 設立:2013.1
- 出資者:Techstars, Accel, Right Side Capital Management, Menlo Ventures, Atlas Venture
- 総調達額:$117.8M
- 最終ラウンド:シリーズD
- 買収額:$1B以下(推定)
概要
- アメリカ人の内4000万人は1日に5種類以上の薬を服用しており、月に複数回の通院が必要
- PillPackのサービスを使用すると通院する必要がなく送料無料で配達
- 服用1回分ごとに薬がパックされた状態で配送し、飲み忘れしないようにアプリで管理
- 365日24時間 薬剤師にチャットで相談可能
More
- 事業内容:インドの食品・食料品小売チェーン
- 設立:2007
- 出資者:不明
- 総調達額:不明
- 最終ラウンド:不明
- 買収額:$580M
概要
- 4番目に大きいスーパーマーケットチェーン
- 575店舗を展開
- オンラインでの食料品と食料品の小売りは、物理的な店舗がなければ不可能であるため、Amazonはインドのオムニチャネルエコシステムの一部としてMoreを必要とした
Tapzo
- 事業内容:インドのマルチサービスを備えたオールインワンアプリ
- 設立:2010.6
- 出資者:Sequoia Capital India, American Express Ventures, GWC Innovator Fund, RB Investments Pte. Ltd., Runet Labs
- 総調達額:$23.1M
- 最終ラウンド:シリーズC
- 買収額:$40M
概要
- Tapzoは、タクシー、充電、食べ物、お得な情報、請求書、モバイル決済、ニュースなどのマルチサービスを備えたオールインワンアプリ
- ねらいはTapzoのワンストップサービスアプリを活用して国内でのAmazon Payの利用を増やすこと
- 500万ユーザーがいる
- 買収によって、Amazon Payが(唯一の)デフォルトの支払いオプションに
- Amazonがアプリを使って独自のサービスや加盟店のネットワークを宣伝する機会を得ることも可能
Sqrrl
- 事業内容:サイバーセキュリティのためのビッグデータ解析ツール
- 設立:2012.8
- 出資者:Matrix Partners, Atlas Venture, Alumni Ventures Group, Accomplice, Total Access Fund
- 総調達額:$26.5M
- 最終ラウンド:シリーズC
- 買収額:$40M
概要
- Sqrrlのサイバーセキュリティソリューションを使用すると、ユーザーはサイバースパイ活動、インサイダーの脅威、およびその他の種類の検出が困難な攻撃に関連する高度なデータ侵害を検出
- そして見つけた脅威をセキュリティ担当者のためのダッシュボードに表示し、担当者は、今後ありうる脆弱性の、視覚化された表現を見ることができる
- Sqrrlのアーキテクチャの中核にあるのは、Hadoop、リンク分析、機械学習、データ中心のセキュリティ、高度な視覚化など、さまざまなビッグデータテクノロジー
- Amazon Web Services(AWS)に統合
OpenSCG
- 事業内容:PostgreSQLの企業向け支援
- 設立:2009
- 出資者:不明
- 総調達額:不明
- 最終ラウンド:不明
- 買収額:不明
概要
- 企業がPostgreSQLに移行するのを支援することにおいて特別な専門知識を持つ
- AWSに統合
雑感
GoogleはシリーズBから前にかけての早めの段階での買収が多いのに対して、AmazonはシリーズCやDなどのレイターステージでの大型買収が多い。
恐らく、Googleはスタートアップの要素技術が確かなものであるという検証が得られたら、あとは自社サービスに組み込んだりするというアプローチで買収を行うのに対して、Amazonは物販という性質上、ある程度の流通やオペレーション、ユーザーベースの確保を必要とするからではと推察する。
Amazonも技術系スタートアップを買収することは全然あるので単純化はできないけど、2018年に関してはそんな傾向がある気がする。
あと散々言われていることだけど、Amazonの進出がインド(Tapzo, More)においても進んでる。Googleもインド企業買収してたし、時代はインドインドってことを再確認。
そしてMoreを見るにリアルへの進出も同時に進んでる。Amazonはインドと実店舗への進出、AWS・Amazonの既存事業の強化という方向性。
こうやって書くと当たり前だし、「知ってた。」となるけど実際の案件見て事実ベースで確認することが重要なので良いのかな。。。