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VCとスタートアップ

【2019年1-2月】Y Combinatorがシード投資したスタートアップ

2019年の1月と2月にYコンがシード/Preシードラウンドで出資したスタートアップをまとめます。なお、情報ソースはcrunchbaseです。

Ajaib

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  • 事業:オンライン投資プラットフォーム
  • 調達額:$2.1M
  • 他出資者:Alpha JWC Ventures, Insignia Ventures Partners, Softbank Ventures Korea

概要

  • 少額から投資できるサービスをインドネシアで提供
  • 書類なしで登録でき、15米ドル〜の低額で買える
  • 手数料でマネタイズ

Caper

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  • 事業:スマートショッピングカートの開発
  • 調達額:$2.2M
  • 他出資者:First Round Capital, FoundersClub, Precusor Ventures, Hardware Club

概要

  • ディープラーニングと画像認識技術の活用でショッピングカートに入れるだけで、レジを通ること無く買い物ができる
  • 既存の食料品店に導入することを目指している

Catch

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  • 事業:個人向け福利厚生プラットフォーム
  • 調達額:$1M
  • 他出資者:Kleiner Perkins, Louis Beryl, Jacob Gibson, Urban Innovation Fund

概要

  • 給料や税金の管理、貯蓄、保険、投資をトータルサポートするサービス
  • フリーランスや多様な働き方な世界に照準(限定はしてない)
  • データドリブンにパーソナライズされたセーフティネットが構築できる

One Health Company

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  • 事業:がんを患った犬へ最先端の治療法の提供
  • 調達額:$5M
  • 他出資者:Andreessen Horowitz, Lerer Hippeau, BioAdvance, Ben Franklin Technology Partners of Southeastern Pennsylvania

概要

  • 遺伝子等の検査をして、専門家による評価を行い治療計画を決め、治療する

Oxygen

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  • 事業:ギグ・エコノミー向けの銀行・クレジットサービスの提供
  • 調達額:$2.3M
  • 他出資者:DHVC (Digital Horizon Capital), Base Ventures, Endure Capital, Eric Kwan

概要

Roofr

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  • 事業:屋根ふき(屋根の修繕等)のマーケットプレイス
  • 調達額:$3M
  • 他出資者:Crosslink Capital, ACE & Company, Louis Beryl

概要

  • 衛星画像を利用して簡易的に屋根ふきの見積もりを算出
  • 請負業者とマッチング
  • 請負業者から手数料をもらってマネタイズ
  • 商品総額で月に20万ドルを超え、月ごとに約50%の成長(2017.9時点)


雑感

個人的に気になったのはCatchとOxygenとRoofr。CatchとOxygenはどちらもフリーランスに向けたサービスを提供していて、フィンテックの市場がマスに向けたものから、これまでの金融では対応できなかったバーティカルな領域に移っていっている感。本当に力を発揮するのはむしろコッチの領域な気がする。(データと機械学習を使い倒すことで新たなモデルを作れるという意味で)
フリーランスや副業といった多様な働き方は成長領域で増えているのにもかかわらず、従来の金融機関では信用評価ができないギャップから機会が生まれていて面白い。

顕在化しやすくかつ飛び付きがちな技術的な成長市場とはひと味違う社会的な背景に基づいた成長市場にフォーカスしてるのがくすぐられる。

日本でもCAMPFIREやクラウドワークスがその辺りを攻めているイメージ。ただ与信モデルがやや限定的な印象なので、もう少し包括的にデータ連携できると決定的になりそうだけど、プラットフォーム間が手を組むのは簡単ではなさそう。その点freeeやマネーフォワードが個人の懐事情を握ってるので一番近いのかな。

ちなみに

フリーランス実態調査 2018年版を発表 | ランサーズ株式会社

によると、すでに日本人口の17%(1100万人以上)が何らかのカタチでフリーランスという。

YouTuberが家を借りられないみたいな話も聞くし、信用のないフリーランス向けに信用をサポートってのはますます求められそう。

そしてRoofrは単純に発想がおもしろいと思った。Google EarthAPIを使って衛星画像を取得し、画像認識と機械学習を組み合わせて見積もりを出すっていう。技術的には多分そんなめちゃムズイわけじゃない(すでにあるAPIやライブラリを組み合わせれば作れるという意味で)だろうし、発想勝ち感。すごいなぁああああ興奮するw

APIから取得できるデータ×機械学習で解決するという引き出しがあるのはおもしろい