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VCとスタートアップ

Benchmark Capitalの特徴

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Dropbox、eBay、Instagram、Yelp、Zillowという名だたる企業に投資してきたBenchmark Capitalについて調べたので、その特徴をまとめます。

基本的にこのForbesの記事をなるべく整理しました。

www.forbes.com

ミニマリズム

ベンチマークキャピタルにはジュニアパートナーやシニアパートナーがいなく、5人のパートナーしかいない。それにCEOのような存在はいなく、平等主義で管理報酬の2.5%と利益の30%は均等に分けられる。

Andreessen HorowitzやGoogle Venturesのようなイケイケなファームが、マーケティング担当者、PR担当者、採用担当者、および社内デザイナーで人件費をかける一方、Benchmarkは明らかにミニマリスト。 5人のパートナーをサポートするスタッフはわずかしかいない。

さらにファンドの資金も大量に集めるという誘惑を断ち切って、5億ドル以下に抑えた。

こうしたサイズのおかげで、素早い意思決定が可能。

リターン

ベンチマークの8つのファンドは投資家に226億ドルを支払った。その支援者は、過去10年間で1,000%のリターン(手数料控除後)を受けた。

Twitterに対する3,200万ドルの投資は、現在22億ドルの価値がある。 Mitch Lasky氏が率いるSnapchatへの21百万ドルの投資は、20億ドルである。 Uberを支援した最初のVCの1つであるというベンチマークの報酬は、70億ドル相当の株式。

ベンチマークキャピタルのルール

ほぼ1回目または2回目の機関投資ラウンドに焦点を当てたルール。そのルールは外部投資家のうち最大の株式を取得することと取締役会の座席を利用すること。そのため、ポートフォリオの会社の方向性に影響を及ぼすことができる。

投資家がより高い評価で新興企業と再会するときのいわゆるインサイダーラウンドをしない。そして「先制攻撃」の機会を見つけようとし、まだ始めていない会社との資金調達ラウンドをリードし資金を集める。

なぜならBenchmarkの約60%の取引が紹介者またはリピートの創業者からのものだというものだから。

パートナーの連携と特性

競争の激しいディールの場合は、パートナーはひとまとまりで活動する。2013年には、アクティブなパートナー全員がSnapchatの着陸に関与し、Cohlerが早い段階で進出し、Laskyはやがて役員に加わった。

それぞれが仕事をするときにはそれぞれ異なる役割を持ち、それぞれが自分の経験をパートナーシップにもたらす。

フロリダ大学の元カレッジバスケットボール選手であり、最初のドットコムバブルの有名アナリストであるガーレーはUber、OpenTable、GrubHubなどの「マーケットプレイス」に焦点を当てている。

ワインの専門家でありヘリコプターのパイロットでもあるFentonは、Dockerなどの企業向けスタートアップやTwitterのような消費者向けスタートアップを見分けるためのコツを備えた都会的なポリグロット。

Laskyは、ゲーム、エンターテイメントに注力しており、GoogleからAndroidのコントロールを奪おうとしているスタートアップ、Cyanogenを支援するパートナーシップを説得するのに役立った。

Cohlerは、LinkedInのReid HoffmanおよびFacebookのMark Zuckerbergの元補佐で、InstagramDropbox、およびZendeskへの投資を主導していた。

最新のパートナーであるEric Vishriaは、エンタープライズソフトウェアに関する深い技術的専門知識を持ち、かつては有望だったが現在は機能していないデスクトップWebブラウザRockmeltのCEOとしての険しい過去を持っている。

課題

ベンチマークが現在直面している最大の問題は、新しいパートナーが加わり、GurleyやFentonが現役から退くにつれて、どのようにしてその強さを維持するかということ。

雑感

これまた面白いVCファームだった。5人のパートナーしかいなく、さらにフラットな組織構造ゆえに、意思決定もスムーズだろうし、インセンティブも大きい。

そしてリターンがえげつない、投資していた企業もえげつない。この圧倒的結果がカッコいい。ただルールが結構厳格で、起業家フレンドリーではないのかな?と少し思った。(もう少し調べたいところ)

ただリファラルでの投資が多いらしく、質の高いネットワークはVCでは最重要なんだろうと思った。

最後の課題も属人的要素の強いファームの特性が出てるなぁと思った。確かにファーム全体で見ると安定した結果を出し続けるのは、凄まじく難しそうな形態だと思った。

いやーー、でも超カッケー