Mastering Myself

VCとスタートアップ

リアル・ストーリー・オブ・ベンチャー・キャピタリストを読んで(その1)

リアル・ストーリー・オブ・ベンチャー・キャピタリストを読んで、面白かった節を引用しつつ、学びを整理しようと思います。

 

スタートアップが成功する3要素

成功とは不思議なものである。三つの要素がたまたま、うまく結びついたときに成功が生まれやすい。その三つとは(1)優れたアイデアを持った人が、(2)良いタイミングで、(3)そこにいたこと。

ここで述べられている成功要因は「アイデア」と「タイミング」だけど、色々な人が色んなところで同じようなことを言っているのを見かけるので普遍的ってことかな。

エンジェル投資家とベンチャーキャピタリスト

ベンチャーキャピタリストは投資のプロであり、たとえマーケットの状況が悪化したとしても担当した企業が目標を達成できると判断すれば追加の投資を厭わない。「エンジェル」の投資は通常、会社の立ち上げのときに限定される。その後問題がおこったとしても、見守ってはもらえない。(中略)このように、長期間にわたって資金と時間を提供し続けることは、通常「エンジェル」にはできない。

相違点はそれだけではない。ベンチャーキャピタルには歴史がある。一社や二社ではない、数百に及ぶ企業の設立に手を貸した実績がある。パートナーたちが経験した失敗例から学ぶことは多い。起業家たちが似たような状況に直面したとき、この知識を活かすことが出来る。

エンジェルとVCについての議論は多く、実際に事業を立ち上げ成功したエンジェルの方が事業経験が豊富で、的確にアドバイスをできるといわれる。しかし、VCは資金、時間が豊富ということ。(これは聞く気がします)

それに加え、VCはVCで大量の事業を目の当たりにしているだけあって、知識は蓄積されているという見方。たしかに量はエンジェルより多いなぁと思います。そう思うと、それぞれにちゃんと価値があるよねという面白みのない結論に至る。。。笑

人材か市場か

企業を成功させるには何が最も重要か。製品を供給する市場か、それとも経営者なのか。ベンチャーキャピタリストの間でも、この問いに対する意見は分かれ、大論争となっている。「市場説」の代表はセコイア・キャピタルのパートナー、ドン・バレンタインである。(例としてはシスコ)

アーサー・ロック・アンド・カンパニーのパートナー、アーサー・ロックは初期の段階からアップル・コンピューターに投資した人物であり、ドンとは対照的に、市場よりも人を見るべきだという意見の持ち主である。 

この著者は経験から「人」派です。個人的には事業が成功するかどうかは「市場」のほうが重要な気がします。なぜならその事業をやっている間は、自分ではコントロールすることのできない要素だから。けど、会社が成功するかどうかは「人」だと思います。なぜなら事業の筋が悪く、どうにもいかなくなった場合にはピボットの選択肢があるし、そこで折れなく、優秀な「人」であれば、最終的に会社は上手くいくように思えるから。

つまりひとくちに「企業に」投資するといっても、会社に投資する要素が強いのか、事業に投資する要素が強いのかの軸で切り分けてるだけで、結局二人ともおんなじような(どっちも大事という元も子もない。。。w)考えな気がします。

それでいうと、以前見たDeNAの共同創業者でエンジェル投資家の川田さんがおっしゃっていたことが個人的にはしっくりきました。

僕はものすごくシンプルで、基本的にはプロダクトというかサービスを見ます。プロトタイプを見て良ければ入れるし、悪ければ入れない。

なぜかというと、基本的にはやはりいいサービスが伸びるポテンシャルを持っている。いいサービスを作れるやつが面接でわかるかというと、僕はまったくわかる自信がないし、人と目を合わせて話せないような人が感動的なサービスを作ったりするじゃないですか。

だから、面接というバイアスをかけるのはもうやめようと思って、「とにかくプロダクトを見せてよ」と言って、プロダクトを見て、そこにセンスがあるかないかで見るという感じですね。

ベンチャー投資家が成功するスタートアップの見抜き方を語る - ログミー[o_O]

決して過去は振り返らない

「決断を下す」、「一度決断を下したら、簡単にあきらめない」、「決断が明らかに間違っていたら、変更する」、「決して過去は振り返らない」。(中略)経営資源の少ないスタートアップが生き残るためには、新しい戦術を次々と繰り出すより、難問に打ち勝てる長期的な視野をもつことが望ましいと、私は思う。

 読んでいて非常に難しいと思いました。とくに二番目と三番目はその境目の見極めが困難だろうなーって。常にメンタルが乱高下する起業家にとってはなおさらですよね。だとするならば、ベンチャーキャピタリストは起業家のこうした困難極まりない意思決定をどうサポートするのがよいのか、、。不動でいることか。これは実際に経験を積んで自分のスタイルとともに探ってく作業が必要なんだろうなぁ